くろちく 八竹庵

大正時代の贅を尽くした和洋折衷町家建築
くろちく 八竹庵

京都市指定有形文化財および京都府医学史研究会跡に指定される、歴史的に貴重な町家建築です。大正15年、室町随一の豪商「四代目 井上利助」が贅の限りを尽くし完成したこの京町家は、当時最先端の技工と流行を取り入れつつも、和と洋が折り重なるような設計に、建築史における時代の断片が垣間見えます。当時の姿をありのままに残す、厳格ながらも豪勢な情景をお楽しみください。

This historically valuable machiya building is designated as a Tangible Cultural Property by the City of Kyoto and as the site of the Kyoto Prefectural Medical History Research Association. This machiya was completed in 1926 by Risuke Inoue IV, the most wealthy merchant in Muromachi, and was built with the utmost in luxury. While incorporating the most advanced technology and fashions of the time, the design is a combination of Japanese and Western styles, offering a glimpse of a different era in architectural history. Enjoy the austere yet opulent scene that preserves the original appearance of the period.

八竹庵 はちくあん 」の歴史
(旧:川崎家住宅)

「八竹庵」の歴史
  • 江戸時代後期

    江戸後期の名医「荻野元凱」開業
    西洋刺絡法を導入・実践した御典医。寛政・享和の時代に活躍し、典薬まで昇進した荻野元凱がこの地で医院を開業。その後、明治時代まで脈々と子孫の医院として、そして門弟の教育所としても使用された。
  • 1926年

    豪商が大正当時の贅を尽くし新築
    室町随一の豪商「四代目 井上利助」が住宅兼商談の場として新築。関西近代建築の父「武田吾一」と数寄屋造りの名工「上坂浅次郎」が設計参与し現在見る形となる。和と洋の融合および当時の技工と流行が随所に散りばめられた貴重な意匠に。
  • 1965年

    呉服商 川崎家の迎賓館「紫織庵」
    白生地商「川崎家」の住宅兼迎賓館に。「紫織庵」と名付けられ運営。平成11年4月1日には「京都市指定有形文化財」に指定。
  • 2021年

    世界的有名ブランド100周年記念
    世界中で愛用されている有名老舗ブランドが創設100周年を記念し、体験型エキシビジョンの舞台として使用。和洋折衷と新たな息吹をテーマにしたイベントが開催されました。
  • 2022年

    京文化の継承を謳い存続を願う
    「京文化の継承」をテーマに和雑貨・伝統意匠建築設計・町家再生など手掛けてきた株式会社くろちくが、歴史的価値の高い姿の存続を願い、また代表黒竹の先祖が大工方として参与していた背景もあり所有へ。「くろちく 八竹庵」として現在に至ります。

建物様式紹介

大正当時の流行である「フランクロイドライト様式」を洋間に採用した、伝統的な京都の「大塀造」です。洋館部分を関西近代建築の父「武田吾一」、茶室や和室部分を数寄屋建築の名工「上坂浅次郎」が設計。本家係の大工主任と助手に黒竹廣吉・梅吉が参与。敷地248坪に茶室・サロン・洋館・玄関棟・庭・2階建ての主屋・便所・浴室・2棟の蔵からなる京町家です。

玄関

1玄関

表戸を開け中に入ると、「客人」「家人」「使用人」用と玄関が3ヶ所あり、それぞれ使い分けられていました。

  • 洋間

    2洋間

    旧帝国ホテル外壁と同様の石灰岩とタイル。格天井に寄木貼り床、電熱式暖炉と気品溢れる洋間です。

  • 茶室

    3茶室

    前庭見える長4畳の小間。北山杉の柱が立ち雲雀棚が特徴。炉は台目切で入口は2枚障子の貴人口。

  • お庭と広縁

    4お庭と広縁

    現代では希少価値の高い「波打ちガラス」が、建築当初から一枚も割れず現存しております。

  • 客間と仏間

    5客間と仏間

    賓客を迎える部屋として利用していた和室。客間と仏間の欄間は日本画家「竹内栖鳳」の作。

  • 蔵

    6

    敷地西側に並び建つ、切妻造本葺2階建ての土蔵。道具や建具、行事などで使う衣装を保存していた。

  • 洋間サロン

    72F 洋間サロン

    大正時代の贅を尽くした20帖の洋間。暖炉・シャンデリア・寄木細工の床など絢爛豪華な造りです。

イベント

文化芸術の発信や交流・季節限定の催しなど、
京都でしか体験できない特別イベントを年間通じて開催しております。

詳細はLINE、またはインスタグラムにて随時配信しております。

  • 祇園祭 巡行見学会

    日本の三大祭である「祇園祭」を間近で見ることができるイベントを祭り期間中開催。東側には八幡山が建てられゆっくりと観察可能です。大正当時にも実際に楽しまれていた眺めをぜひご覧ください。

  • 京都屈指の数寄屋建築を舞台にした
    社交館(サロン)としての活用

    文化芸術の発信と交流の場の提供を目的に、お能等の伝統芸能や美術品の展示等、国内外案件問わずさまざまなイベントを年間を通じて開催いたします。

その他、様々なイベントを開催致します。

(旧川崎家住宅)

LINE会員募集

八竹庵保存会は、保存維持が困難な文化的価値のある建造物などの保護活用を推進し、地域社会に生かす取り組みを行っています。また京都の文化芸術の活用と伝承を目的に、文化交流の場として伝統芸能や美術品をテーマにしたイベントを開催致します。当保存会の目的にご賛同いただける皆様方のLINE友達登録をぜひともお待ちしております。

LINE公式アカウント LINE公式アカウント
特 典
01. イベントのご優待

伝統芸能やコンサートなど、開催イベントの各種ご案内情報やご優待・クーポンの配信。

02. くろちくグループ割引

くろちく系列の施設(小売店・飲食店など)で使用できるお得なクーポンを不定期に配信。

開館時間・休館日Open Hours & Holiday
開館時間:10:00 〜 17:00(受付終了 16:30)
休館日:木曜日(貸切や臨時休館の場合が御座いますのでインスタグラムをご確認くださいませ)
入館料Admission
一 般 中高生 小学生
個 人 ¥1,700 ¥500 ¥200
団 体
(10名以上1人あたり)
¥1,600 ¥400 ¥100

※一般のお客様ご入館につきましては「文化財保護継承協力金」¥1,000 を含んでおります。
みなさまのご理解ご協力の程宜しくお願い申し上げます。
※10名以上の団体様は事前予約をお願い致します。
※ご見学の際は靴下の着用をお願いしております。
※建造物破損防止のため、リュック、大きなお荷物は受付でお預かりいたします。

アクセスAccess

市バス「四条烏丸」下車 徒歩約9分/市バス「堀川三条」下車 徒歩約7分

地下鉄烏丸線「烏丸御池」駅下車 徒歩約6分

京都市指定有形文化財

旧川崎家住宅くろちく「八竹庵」

〒604-8205 京都府京都市中京区三条町340
TEL.075-708-7189